初心者のペット基礎知識 Glory Hamilton
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ペットと生活をすると家族と全く同じ感情の対象になるのです。これは事前に理解していただきたい重要なことです。と語るのは静岡県のSさん。
「今まで外に出たことがない」というSさんのペットのモンクは、撮影に設定された野外にやってくるとひどく怯えた様子を見せ、Sさんの腕を抱き込むようにしてしがみつきました。大きな目を見開いて、周りに集う見知らぬ人々の顔を順番に見回しました。可笑しくて愛おしいその仕草は、インタビュー中にSさんが言ったこんな言葉を思い起こさせるものでした。
「これまではペットを亡くして悲しんでいる人の気持ちって、理解できていませんでした。理解したような気になったけど、やっぱり理解していなかった。今はその気持ちがはっきり理解できています。『モンクがもし死んじゃったら』って考えると…。私が、今の年齢だとまだ感情の取り返しがつくかなっていう気がするんです。でも、年をとって死なれちゃうとって想像すると怖いですね」
モンクとの日常は、けれど、常にベッタリというわけではない、とSさんは言います。「私の場合、みっともないくらいにかわいがっているときもありますけど、比較的醒めた関係だと思います」。
実際、原稿に向かっているときは集中するからモンクのことは意識の外にあるし、忙しくなるとなかなか相手ができないときもあります。そういう飼い主の様子や感情を猫はなんとなく察したりするのでしょうか?
飼い始めて2年経っても、モンクの気持ちや行動には多々不可思議なところがあります。胸の上に乗ってきたり、頬ずりしてきたりと、甘えるときもあれば、まったく心ここにあらずで、どんなにちょっかいを出しても、遠くを見つめたまままったく見向きもしないこともあります。そんなときは決まって、何かを考えているような、思慮深い顔をしているのです。
「猫って本当に何か考えているような、哲学的な顔をしているときがあるんです。そういう姿を見ると、私自身も素に戻れて、『人間はそもそもひとりなんだ、孤独な生き物だ』とか、そんなことをフト思ったりします。人と通じ合えないこともあるし、こちらが求めても返ってこないこともあるということを、猫を通じて分かってくるような気がします。本当は『自分がひとりである』ってことを意識しながら生きていくのは、すごく大切だと思います。家族や子供がいるにせよ、自分自身が独立しているということを自覚していなければ、相手のことも大切にできません。それを意識させてくれる動物ですね」